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状況証拠

鉄骨の曲がった箇所は全体に点在している。
曲がった箇所に集中的に熱が移ってそれらの箇所だけ800℃超になった、なんてあり得ないのだから
(曲がった箇所が1箇所だけなら熱がそこに集中もあり得るが、曲がった箇所は全体に点在している)、
鉄骨,数十トン全体が800℃超になったと考えるのが自然。

天井に張り巡らされている、数十本×数十本(+斜め)もの鉄骨の、構造物全体が内側に潰れていますが、
こういう壊れ方は、鉄骨のほぼ全部が軟化しないと、あり得ない壊れ方です。
もし、鉄骨に固定してある面積の大きい付帯物が爆風を受けて、鉄骨の固定箇所が力学的な力で破壊されたのなら、
その箇所周辺が壊れるだけで、残りは、ほぼそのままの形で残ります。
鉄骨のほぼ全部が、軟化した、つまり800℃を超えたと考えるのが自然です。

政府見解通り建屋内に水素ガスが600kg溜まっていたとして、
もし、水素600kgが全部燃焼したとしても、
出来上がるのは3600℃の混合気(質量比で窒素:水蒸気=56:18)が22.2トン(理由は後述)だけ。
3600℃の混合気22.2トンの半分の11.1トンから、800℃との差分の2800分の熱量が鉄骨に移れば、
鉄骨,数十トンの温度を800度上げることができますが(理由は後述)、
ご説明のとおり、半分も燃焼できるわけがなく、800度上げるには全然足りません。

しかも、建屋内で出来た高温ガスの大半は、一瞬で通り過ぎて行くのですから、
鉄骨と鉄骨の間を、鉄骨に熱を与えないまま、ほぼそのままの温度で通り過ぎて行きます。
鉄骨に熱が移るられるのは、鉄骨の近くを通ったガスだけです。

ほんの一部しか燃焼できない上、燃焼で出来上がった高温ガスから鉄骨に熱が移れるのもほんの一部。
鉄骨,数十トンの温度を800度上げるには全然足らないのです。

■水素600kg燃焼時、出来上がるのが3600℃の混合気(質量比で窒素:水蒸気=56:18)が22.2トンである理由は、
無駄の無い燃え方をする混合比は、水素:酸素:窒素 が体積比で 2:1:4、質量比で 2:16:56 のときで、
水素が600kg=0.6トンなら、酸素4.8トン、窒素16.8トン ですから、合計 22.2トン なのです。
話に窒素が出て来る理由は、空気中の酸素には漏れなくその4倍の窒素が付いて来て分離不能だからです。
無駄の無い燃え方をした場合、混合気の温度が3600度上がる理由は、ネットで簡単に見つけられると思います。


■住民説明会に参加される方か、デモの人員を集める力を持った方が、いらっしゃいましたら、
どうか、最低限の公開を未だにしてくれない行為に、抗議してください。


■まず、あの一瞬で移る熱量は精々1/10くらいしかない理由は、
建屋内で出来た高温ガスは鉄骨を一瞬かすって通り過ぎて行くからです。
移る熱量が少ししかない理由は、細かい理屈はわからなくても、肌で感じるくらいあたり前過ぎる話です。

下図が爆発時の建屋天井の断面図で、■が鉄骨、↑が通り過ぎる高温ガスとすると、

  ■↑↑↑↑↑↑■↑↑↑↑↑↑■↑↑↑↑↑↑■

鉄骨から離れたガスの大半が、鉄骨に熱を与えないまま、高温のまま、
建屋の外(上側)に出て行ってしまうことはわかると思う。
鉄骨近くのガスが鉄骨に熱を与えてしまって温度が下がったら、すぐ周りから熱が補充されて温度が復活する
とは言っても、時間ゼロでは無理なのだから、その一瞬ではほとんど補充されずに通り過ぎて行ってしまう。
鉄骨に熱を移すのは、鉄骨近くを通ったガスの熱だけ、しかも一瞬で通り過ぎるのだから移せる熱量も僅かです。


■3600℃の混合気(質量比で窒素:水蒸気=7:2)が22.2トン出来る理由は、
水素600kg=0.6トンが燃焼するには、その8倍の質量の酸素(4.8トンの酸素)が必要だが、
4.8トンの酸素には、その3.5倍の質量の窒素(16.8トンの窒素)が漏れなく付いて来る(空気は酸素と窒素の混合気)。
空気中で水素0.6トンが燃焼すると、5.4トンの水蒸気が、16.8トンの窒素と混ざった状態で出来上がる。
つまり、22.2トンの水素と窒素の混合気が出来上がり、そのときの温度は元の温度の3600度増。
要するに、3600℃の混合気22.2トンが出来上がる(元の温度は10℃以下で0℃と変わらないから3600度増なら3600℃)。


■600kg全部が建屋内で燃焼できるわけがない理由は、
水素ガスは、比重が空気の14分の1しかなく、水素ガスと空気は上下に分離して存在していた筈で、
水素ガスと空気が混ざることが出来るのは2者の境界付近だけ。だから、建屋内で燃焼できたのは精々60kgくらい。
爆発の衝撃で混ざるとは言っても、

|水素ガス|
|水素ガス|
|_水蒸気_|
|__空気__|
|__空気__|

上図のように、燃焼で出来た水蒸気が水素ガスと空気を仕切ったまま膨張して、
水素ガスを建屋の外に押し出すのだから、
水素ガスの大半は、酸素と結合できないまま、建屋の外に出て燃焼するか、燃焼せずに拡散するかして、
鉄骨に熱を与えるのに寄与しない。


■水素ガス600kgの燃焼だけでは全然足りないことが、わかるでしょう?

あの状況で他に熱を出した可能性があるのは、プール内の使用済燃料の連鎖反応だけなのです
(もし格納容器の中味が大量に飛散していたら、
 半減期の短い、強烈なγ線を出す物を含んだガスが膨大な量ばら撒かれていた筈だが、
 実際には空間線量が跳ね上がらなかったので否定される。となると高温ガスはプールから)。

鉄骨,数十トンが、水素爆発の熱だけで800℃になったと言い張るのは、
浴槽一杯に入ってる水が、
100℃の湯,コップ1杯入れられただけで50℃になった
と言い張るのと同じです。
コップ1杯の熱で50℃になるわけがない。考えるまでもない。肌で感じる。

ガス全体の熱が鉄骨の一部に集まったと言い張るかもしれないけど、
集まるとは言っても、
熱が鉄骨に移ってガスの温度が下がる度に、周りのガスから熱が補充される
という感じで集まるだけであって、
そういう感じで集まる速さは、鉄骨内で熱伝導で逃げて行く速さより遅いため、鉄骨は800℃まで上がれない
(熱の集まる速さは、出来上がった高温ガス内での熱の補充速度で決まる(爆風が速くても集まらない)。理由 )。

■ところで「鉄骨の構造物全体が内側に潰れたのは軟化したからではない。一部壊れてバランスが崩れたからだ」
と言い張る人が居ますが、
鉄骨を斜めに通してなければ、一部が壊れただけで長方形が平行四辺形になってから潰れるかもしれないが、
あの構造物は、鉄骨を斜めにも通してあり、鉄骨自体は頑強のままバランスが崩れて潰れるとは考え辛い。
というか、そういう理由で潰れてしまわないように、鉄骨を斜めにも通してあるわけですよね。
あの構造物全体が内側に潰れた理由は、全体的に軟化して重力に耐えられなくなったからしか考えられない。
あと「壁や天井が剥がれたから、強度不足で重力に耐えられなくなった」と言い張る人も居ますが、
もし本当にそうなら、建設途中の、鉄骨だけのときに、なぜ重力に耐えられなくなって壊れないのだ?
「壁や天井が剥がれたから鉄骨の構造物全体が潰れた」なんて説明、馬鹿げている。

鉄骨の構造物が全体的に軟化したから、全体的に800℃になったから、しか考えられないのです。
(曲がった箇所だけ800℃になったとか、そんな器用な熱の伝わり方するわけない。全体的に800℃と考えるのが自然)

プール内の燃料が密集すれば核分裂連鎖反応を起こすことは、
原理的に,起こり得る話であり(理由 )、
状況証拠は、それが起こってしまったことを示している。
燃料のあった場所を見もせずに「燃料は飛散してないに決まってる」
と言える状況ではないのです。